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藤田司法書士事務所 労働問題(未払い残業代・給与)  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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労働問題Q&A12(未払い残業代/未払い給与)

  トップページ労働問題Q&A>労働問題Q&A12


未払い残業代/給料/賃金/退職金の利息・遅延損害金
及びその具体的計算について

       

          Q12  未払い賃金(残業代・給料・退職金)の利息
                    遅延損害金の請求及び具体的計算方法に
           ついて
          (未払い残業代/未払い賃金)

    未払い給与や未払い残業代を請求するに当たって(支払われるまで)
        利息も請求できますか?

       
    
A12

 
       残業代や賃金、退職金が支払われない場合ですが、以下、法律の観点
      からご説明します。
      賃金や残業代、退職金等の支払義務のある雇用主(会社等)が支払いを
      しない場合は「債務不履行」という状態になっています。

              そして、支払期日に支払われていない状態を「履行遅滞」といいます。
              履行遅滞によって、(将来、賃金や残業代等が支払われたとしても) 遅滞
              による損害が発生します。
              (例えば、給料の支払日にローンの支払日や家賃の支払日だった場合に、
              支払わないことにより損失を被ったりする場合があります)

              その損害賠償について、民法では「遅延損害金」として債務不履行した者
              が支払う義務を負うとされています。(民法419条)

              遅延損害金について 使用者(雇用者)が個人(商法上の商人でないとい
      うこと、個人事業者は商人となる場合が多い)の場合には民亊法定利率
              が適用され、支払日まで年率5%の遅延利息(遅延損害金)を請求でき
       ます。(民法404条)


      使用者(雇用者)が営利法人(会社、但し非営利法人は商人ではないの
      で除く)の場合は商事法定利率が適用され、支払日まで年率6%の遅延
      利息(遅延損害金)を請求できます。(商法514条)

            未払い残業代や未払い賃金が発生してから会社を退職した場合には、退職
            日の翌日から支払日まで年率14.6%の遅延利息(遅延損害金)を請求でき
      ます。
            (賃金の確保に関する法律第6条)

             但し天変地異その他やむを得ない状態がある場合は、その期間について遅
             延損害金は発生しない場合があります。(同法6条2項)


      また、未払いの退職金を請求する場合については「賃金の確保に関する法
             律」第6条の適用はありません。

      また遅延利息(遅延損害金)や請求金とは別に「付加金」という労働基準法
      で認められている金額を請求できます。


      付加金

      労働基準法114条で、労働者の請求があった場合に裁判所は使用者(雇
      用者)に未払い残業代と同一の金額を支払うように命じることができると定
      められています。
      そしてこの請求は違反のあったとき(支払いをしなかったときから)2年以内
      と定められています。
      詳しくは「労働問題Q&A22 」をご覧ください。

      注意:未払い残業代や休業手当ては付加金の対象となりますが、未払いの
                     給与は対象となりません。


             具体的計算事例

      Aさんの会社は給料と残業手当の支払いについて25日が〆日で、支払日
             は30日です。
             退職金の規定があり、退職金の金額は10万円で、支払日は退職日となり
             ます。

             Aさんは5月10日から24日までの間に残業をして、残業代は2万円と算定
             されました。
            そして6月については5日から23日の間に残業をして、残業代は3万円と算
             定されました。

            そしてAさんは6月27日で退職しました。

             しかし会社は、残業代と退職金の支払いを履行しませんでした。


            残業代の遅延損害金

            まず、残業代の遅延損害金の計算をします。

            まず在職中の遅延損害金を算定します
           (遅延損害金年率6%・・雇用主が個人の場合は年率5%)
            5月分の残業代は支払日である5月30日がきてはじめて会社に請求
            できます。

      そして遅延損害金の算定は支払日の翌日(31日)が最初の日(始期)と
            なります。
            Aさんは翌月6月の27日まで在職していたので、算定の最後の日(終期)
           は6月27日となります。そうするとその間は28日間となります。

            5月の遅延損害金=5月の残業代2万円×0.06×28÷365≒92円
            なります。

            Aさんの6月の会社の在籍日数(退職日までの期間)は27日間となります。

           そして6月の残業代の支払日(=請求できる日=遅延損害金の発生時期・
     算定の始期は翌日となる)はAさんが退職後の30日ですから、 Aさんの在
     職中には6月分の残業代の遅延損害金は発生しないことになります。
     Aさんは6月分の残業手当の在職中の遅延損害金(年率6%) の算定金額
     はゼロとなります。

            6月の遅延損害金
           (5月の残業手当に対する遅延)
           =6月の残業代3万円×0.06×0÷365=0円となります。

           退職日からの遅延損害金を計算します。

           請求する場合は「支払日まで年○%の遅延損害金を支払え」と請求すること
           になりますが、 仮に7月1日時点での遅延損害金を計算してみましょう。

           退職後の遅延損害金は賃金の確保に関する法律第6条により年率14.6%
            となります。
           そして退職日の翌日である6月28日を算定期間の最初の日とします。

           よって、退職後の算定期間は6月28日から7月1日までの4日間となります。

           退職後の遅延損害金
           =(5月の残業代2万円+6月の残業代3万円)×0.146×4÷365=80円
           となります。 


           遅延損害金の総額

           在職時の遅延損害金=92円
           退職後の遅延損害金=80円
           総額=92+80=172円


           残業代請求金額の総額

           残業手当ては5月分6月分併せて5万円となります。
           そして遅延損害金の総額172円を加算して総額5万172円となります。


          退職金の遅延損害金

           7月1日時点で計算します。
           退職後の遅延損害金は賃金の確保に関する法律第6条の不適用により
     年率6%(雇用主が個人の場合は5%) となります。
           そして退職日の翌日である6月28日を算定期間の最初の日とします。

           よって、退職後の算定期間は6月28日から7月1日までの4日間となります。

           退職後の遅延損害金=退職金10万円×0.06×4÷365≒66円
           となります。

  
           残業代・退職金・遅延損害金の総額

           7月1日時点での未払い残業代・未払い退職金・それぞれの遅延損害金
           の総額は 150,238円となります。
  

     どのような賃金・手当てにいつから(在職中、退職後)どのような遅延利率
     が適用されるのか?
      については「遅延損害金一覧表」をご覧ください。

     
       

 

  

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      藤田司法書士事務所

         司法書士 藤田博巳

         

    

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